公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団 (理事長:安藤 宏基、以下 安藤財団) は、2025年、米国の食育プログラム「Teaching Kitchen」の主宰団体および株式会社ABC Cooking Studio (代表取締役社長 兼 CEO:志村 なるみ) の協力のもと、子ども向け食育プログラム「Teaching Kitchen for Kids」を開発しました。テスト事業として実施した結果、参加した子どもたちのウェルビーイングの向上が確認できました。
文部科学省の第4期教育振興基本計画では、「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」が掲げられ、教育現場での取り組みが求められている一方で、具体的な実践方法は、現場での模索が続いています。こうした中、安藤財団は、食を通じた子どもたちのウェルビーイング向上を目指し、本事業の成果を教育現場へ提供するとともに、自治体や学校による食育の取り組みを支援してまいります。
- 2026/05/26
- 食文化活動
食育プログラム「Teaching Kitchen for Kids」を開発 「楽しく健康的な食体験」が子どものウェルビーイングを向上
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安藤財団ではこれまで、「食」と「ウェルビーイング」の関係性を世界で初めて明らかにした調査研究を実施しています。第2回報告書*1 (2025年発表) では、日本人は自身の「食の楽しさ」や「健康的な食事」に対する評価が相対的に低く、特に若年層において「食」に関する満足度が低下していることが示されています。こうした背景を踏まえ、本プログラムでは、子どもたちが日々の生活の充実を実感し、自らウェルビーイングを育む力を身につけることを目指しました。
■「Teaching Kitchen」について
Teaching Kitchenは、米国のTeaching Kitchen Collaborative*2が提供する学習プログラムです。健康的な調理法や栄養学に加え、マインドフルネスや身体活動、セルフケアについて、楽しく実践的な体験を通して学ぶことで、自らの健康とウェルビーイングを高めるスキルを身につけます。米国では、病院等の医療機関において、肥満や糖尿病をはじめとした慢性疾患の治療等に活用されています。
■「Teaching Kitchen for Kids」テスト事業の概要
これまでの調査結果を踏まえ、子どもたちが「食の楽しさ」や「健康的な食事」を体感することで自身のウェルビーイングを高められるよう、座学で学んだ内容を、調理や実食と結びつけながら理解できる構成としました。例えば、「減塩」を学ぶ回では、塩分の過剰摂取による影響を学ぶとともに、塩分に頼らない「うま味」の効果について、だしの飲み比べなどを通じて体験し、その後の調理や試食につなげました。
<概要>
開 催 時 期 :2025年9月~10月
参 加 対 象 :小学4年生~6年生
参 加 者 数 :22名
実 施 時 間 :各回120分 (休憩含む)
各回テーマ:テーマ一覧参照
■プログラムの結果
本取り組みでは、参加した子どもたちおよび保護者を対象にアンケート調査*3を実施し、プログラム参加前後の行動やウェルビーイングの変化を検証しました。その結果、グラフのとおり、プログラムへの参加を通じて、子どもたちのウェルビーイングの向上がみられました。実施1か月後は、実施直後と比べてやや低下したものの、実施前を上回る水準を維持しました。このほか、「料理への興味」や「健康的な食品選択への自信」などの項目でも前向きな変化がみられました。
■今後の取り組み
教育現場におけるウェルビーイングの向上に資する取り組みの必要性は一層高まっています。安藤財団は、本事業の成果を自治体や学校に提供することで、「食」が健康を支えるだけでなく、学びの土台づくりや自己管理力の育成、家庭・地域とのつながりを育む重要な接点となり、子どもたちのウェルビーイング向上につながることを目指します。さらに、自治体・学校への支援事業を検討し、より多くの教育現場で子どもたちのウェルビーイングにつながる取り組みを推進します。
■安藤スポーツ・食文化振興財団について
安藤財団は、創設者・安藤百福(ももふく)の「食とスポーツは健康を支える両輪である」という理念のもと、青少年の健全な心身の育成と社会のウェルビーイング向上に取り組んでいます。スポーツ支援、自然体験活動、食文化振興、発明記念館運営、社会福祉の5つの事業を通じて多様な学びと成長の機会を提供するとともに、新たな社会課題にも対応しています。
*1 「Nourishing Wellbeing」(食とウェルビーイングの関係性レポート 2023年版)
[URL] https://www.ando-zaidan.jp/innovation/wellbeing/2023/
*2 Teaching Kitchen Collaborative は、ハーバード大学T.H.Chan公衆衛生大学院とカリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカとの提携により設立された会員制組織です。
*3 アンケート調査の詳細は、ウェブサイト「子どもを対象とした食とウェルビーイングに関するプログラム報告書2025」をご参照ください。
[URL] https://www.ando-zaidan.jp/assets/pdfs/projects/innovation/wellbeing/TK_report2025.pdf