Nourishing Wellbeing
2023年調査結果概要

本調査では3つの質問項目を設定し、食に対する満足度の重要な側面を評価します。

質問: 過去7日間を振り返ってください。 回答の選択肢
あなたは、日々の「食」を概ね楽しんだと思いますか? はい ・ いいえ (わからない / 回答なし)
あなたが食べたものは、概ね健康的なものだと思いますか?
あなたの日々の食事は、豊富な選択肢から選べるものでしたか?

■食の楽しさ
楽しさという概念は経験または感情に基づくウェルビーイングに該当し、従来の枠組みにおけるウェルビーイングの主要構成要素の一つと考えられています。

■健康的な食事
食生活に対する持続的な満足感の形成という意味で、ウェルビーイングの重要な構成要素と言えます。

■食べ物の選択肢の豊富さ
食べ物の種類に豊富な選択肢があることが健康的な食生活を送っている可能性を示します。又、全体的な食事の楽しさを高めるには変化に富んでいることが重要です。

前年に引き続き、3つの質問すべてに「はい」と答えた人の割合を「Food Wellbeing Index」として定義しました。
この「Food Wellbeing Index」と、ギャラップが行う世界規模の世論調査「GALLUP WORLD POLL」で得られた「主観的ウェルビーイング」を測定する指数「Life Evaluation Index*」を掛け合わせることで、「食」と「主観的ウェルビーイング」の関係性を分析しました。

*自分の現在の人生と、将来(例えば5年後)の人生について、0~11(0が最悪、10が最高の人生)の11段階の尺度で回答者自身が評価した点数です。現在の人生を「7」以上、かつ将来の人生を「8」以上と評価した人を順調と見なします。ギャラップが行う世界規模の世論調査「GALLUP WORLD POLL」で得られた「主観的ウェルビーイング」を測定する指数です。

「食」と「ウェルビーイング」の強い関係性を改めて立証

項目 幸福度の差 比較基準
所得5分位階級 1.80 最富裕層 - 最貧層
自国に人生を選ぶ自由があるか 1.76 満足 - 不満足
“Food Wellbeing Index” 1.71 完全満足 - 1問でも「はい」以外
最終学歴 1.47 大卒 - 初等教育
昨日何か興味のあることをしたか 1.41 「はい」- 「それ以外」
ジェンダー (女性) 1.19
過去1ヶ月に慈善団体に寄付をした 1.18 「はい」- 「それ以外」
配偶者の有無 1.13

その結果、3つの質問すべてに「はい」と答えた人は、1つでも「はい」以外の回答をした人に比べ、「ウェルビーイング」を実感する可能性が1.71倍高いことが明らかになり、「食」と「ウェルビーイング」の間には強い関係性があることを、前年に引き続き立証しました。

また、「Food Wellbeing Index」は、「QOL」に関する4つの社会的関連指標とも正の相関があることが新たに立証されました。「食」が「主観的ウェルビーイング」だけでなく、より多様な設問から導き出される「QOL」指標とも結び付きがあると言えることから、「Food Wellbeing Index」自体がより強力な社会的関連指標であることを裏付ける結果となりました。

今回の調査では、3つの質問項目のうち、『食事の種類に幅広い選択肢があると感じているか』について「はい」と答えた人の割合は微増したものの、『「食」を楽しめているか』『自身が食べたものは健康的だったと捉えているか』について「はい」と答えた人の割合が低下しました。

世界的な「食」の満足度の低下

世界全体の結果 (2022〜2023年)

はいの割合(%)

  • 2022
  • 2023

「Food Wellbeing Index」を年代別に分析したところ、ほぼすべての年代で低下傾向があり、とりわけ若年層 (15歳~24歳) の数値が大きく低下していることが分かりました。また、この低下傾向は国際連合が発行する世界的な幸福度調査レポート「World Happiness Report 2024」の調査結果とも一致しています。

若年層の「Food Wellbeing Index」の低下

Food Wellbeing Index (年齢層別 2022〜2023年)

「完全満足」*とみなされる人の割合(%)

  • 2022
  • 2023

*3つの質問(食の楽しさ、健康的な食事、食の選択肢の豊富さ)すべてに「はい」と答えた人を「完全満足」とみなす

2023年調査結果
「Nourishing Wellbeing」

「食」の満足度は「ウェルビーイング」向上の重要指標であることが明らかに